LIBRARY ハミガキ文庫

HAMIGAKI BUNNKO 02 / 大人のためのホワイトニングセミナー

VOL.05 ホワイトニングの大敵タバコ、実は歯ぐきにも脅威

ニコチンとタールは、それぞれ歯に違う悪影響を及ぼします

ニコチンとタールは、それぞれ歯に違う悪影響を及ぼします

ホワイトニングの目的のひとつに、タバコのヤニを気にされてケアをしている方も結構多くおられます。タバコに含まれるニコチンやタールといった成分は歯だけではなく、実は歯ぐきにも悪影響を及ぼしているのをご存じでしょうか。
今回はその点についてご紹介します。

ヤニ=タール、これが付着することで歯は茶色になります

口腔内では歯面にタール(これをタバコの「やに」と云います)が付着し易く、歯の色が茶褐色・黒色に変色し、また、タバコの有害成分(タバコの煙の成分にはタール、ニコチン以外にも一酸化炭素、そして発癌性化合物「ニトロソアミン」などがあり、この発癌性化合物は主にニコチンから生成されています)の刺激で歯肉にメラニン色素沈着が起こり歯肉も赤黒くなり、審美面での障害が出ます。
いわゆる汚れた歯、汚れたお口の中という状況が常態化してしまいます。
ニコチンは歯ぐきに悪影響を及ぼし口腔内の健康を阻害します

ニコチンは歯ぐきに悪影響を及ぼし口腔内の健康を阻害します

ニコチンの大半は肺から肺胞に入りますが、残りは口腔の粘膜や唾液に溶けて胃の粘膜などから吸収され、さらに血液中に入り各臓器に運ばれていきます。
ニコチンは吸収が速く、喫煙直後から血中に現れて各臓器に運ばれ、肺から脳までは8秒で到達するとも言われています。ニコチンには血管を収縮する働きがあり、これは歯ぐきにも影響を与え、歯ぐきの毛細血管の血流量が減少させます。
このため歯ぐきに栄養や酸素が行き届かずその健康を妨げていきます。

「喫煙者特有の歯周病所見」として次のような症状が見られます。

  1. 歯肉辺縁部の線維性の肥厚
  2. 重症度と比較して,歯肉の発赤,腫脹,浮腫が軽度(症状の勘違いが起こる危険)
  3. プラーク,歯石の沈着量と病態が一致しない(症状の勘違いが起こる危険)
  4. 同年代の非喫煙者の歯周炎と比較して病態が重度
  5. 歯面の着色(汚れ・審美面の障害)
  6. 歯肉のメラニン色素沈着(汚れ・審美面の障害)

このように、タバコは歯と歯ぐきの両方に悪影響を及ぼす、オーラルケアの大敵です。
最近ブームの加熱式タバコ(IQOSなど)も、タールは半減するそうですが、ニコチンの濃度に関しては、従来の燃焼式タバコ(紙巻きタバコ)と大差がありませんのでご注意を。できれば喫煙されている方は禁煙を志すとともに、毎日のお口のケアもしっかり続けるようにしてください。