スティップリングジェルの開発秘話
注目の「スティップリング」の由来は!?

スモカ歯磨株式会社 常務取締役
原田信幸

10のレシピが一瞬で全てボツに。
そこから始まった。

「cosmion」プロジェクトがスタートし、新ラインナップとなるコスミオンジェルのレシピから始めました。このレシピの目標は「むし歯予防、歯周病予防、口臭の防止」を実現することでした。これまでのノウハウもありましたので、それに基づき、何度か試作品を作り、社内・社外評価を実施。トライ&エラー繰り返していくうちに、満足できるレシピにも近づき、いよいよ最終確認のステップに…たどり着いたところで、難関にぶつかります。
試作品の「殺菌力」の調査をしてみると、今までの社内商品よりも高い「殺菌力」を期待していましたが、成分間で何らかの相互作用が働いて「殺菌力」が弱まっていることが発覚します。これによって、既に作られた10個のレシピはすべてボツになりました。メインの殺菌剤から考えなおさなければならなかったのです。

より良いモノに。
基準を上げて繰り返したトライ&エラー

「イソプロピルメチルフェノール」(IPMP)や「塩化セチルピリジニウム」(CPC)など、他社でも使用されている殺菌剤は様々で、それらも含めた検討から再スタートします。スモカ歯磨が大切にすべきは、なにか。やはり、これまでの経験に基づき、歯周病の効果があるのでは?という仮説を支えたのは「薬剤が歯ぐきに滞留して殺菌効果が持続するもの」ということ。そこから選ばれたのは、

「塩酸クロルヘキシジン」(CHX)

歯ぐきに薬剤を滞留させるには、水に溶けることと溶けないことのバランスが非常に重要です。過度に薬剤を口の中に残すわけにはいきませんし、かといってすぐに流れてしまっては、殺菌効果を持続できません。「塩酸クロルヘキシジン」(CHX)は高い殺菌力をもつ一方で、その部分の扱いが難しい殺菌剤として、業界でも知られています。

殺菌力の品質目標として殺菌時間を「数分」と設定し、実際に「塩酸クロルヘキシジン」(CHX)を配合したレシピで、歯周病菌(学名:Prophyromonas gingivalis)やむし歯菌(学名:Streptococcus mutans)に有効に働いているかを微生物検査で調べ続けました。

その期間、約1年。そうして、2014年3月に私たちはようやく納得のいくジェルのレシピにたどり着きます。

歯学博士の講義でつかんだ確信。「スティップリング」という磨き方。

ジェルの発売に向けて製造を進める一方で、スモカ歯磨きでは、歯周病の研究をされていた歯学博士の野口俊英先生による社内勉強会を実施していました。その講義の中で、「塩酸クロルヘキシジン」(CHX)についての講義がありました。

プラークが炎症を起こす。これを落すことが歯周病では重要で、その落とし方には2つの方法があり、

1.物理的に落とすこと(ブラッシング、物理的プラークコントロール)
2.化学的に落とすこと(消毒、化学的プラークコントロール)

がポイントとなること、また、消毒剤として「塩酸クロルヘキシジン」(CHX)はブラッシングと同様の効果がある等、先生のご研究や治療の経験などをご披露頂きました。これとは別に、薬剤を歯茎に滞留させて、その殺菌効果を持続させることで、歯周病を改善する医療用の薬剤を作り検証されていることも知り、コスミオンジェルの方向性に問題がないことに確信が得られました。

プラークコントロールを十分に行うと、水増ししたように膨れ上がった歯茎の腫れ(炎症)がなくなり、歯茎がひきしまり、ピンク色の歯茎やその表面に「スティップリング」が現れるようになる。このことも野口先生から伺い、まだ、名前の決まっていない歯周病の歯磨きのコンセプトーワードには「スティップリング」が選ばれ、コスミオンスティップリングジェルは完成しました。